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2013年 12月 16日 |
今日、読んだ本の言葉から…。忘れないためにも、考えたことを言葉にしてここに記しておくことにします。別の目的があって読んでいた本の中にこんなことが…。

 ナチスの閣僚、ヘルマン・ゲーリング(ヒットラーにつぐナンバー2の位置にいた)がこう言ったそうです。
「攻撃されるぞ、と恐怖を煽ることで民衆などというものは、いつも支配者の思い通りになる。平和主義を唱える者については、奴らには愛国心がなく国を危機にさらしていると非難しておけばいい。このやり方はどこの国でもうまくいく」。
  (『子どもが出会う犯罪と暴力』森田ゆり著 NHK出版 2006年)
(森田氏の引用はGustave M. Gilbert著、『Nürnberger Tagebuch: Ehemaliger Gerichts-Psychologe beim Nürnberger Prozeß gegen die Hauptkriegsverbrecher』、2009年、Fischer、ISBN 978-3596218851から) 
 
 正直、あまりの符合にがく然としました。このナチスが考えていた、どこの国でも巧くいく 「このやり方」が、この今、この国で進行していることだと…。言葉が見つからないのですが、なんとも言えない思いになりました。今のこの国の一部の人達が、このナチスのやり方に意図的に学んで行なっているのか、無自覚のうちに知らないで行なっているのか、それは僕のような者にはわかりません。どちらにしてもこの酷い<やり方>は、偽りであり、滅びへの道に国を導くことになってしまいます。

 僕は牧師として、政治的な発言をすることは、あまり好むところではありません。教会は特定の政治思想や政党に組するところではありません(実際、僕は無党派層の一人であると自覚しています)。ですから僕自身は、こうした事柄について、無知でもあり、また抑制的でもあり、その種の発言をほとんどしたことはありません。もしそんなことをしたら、自分の考えと異なる人たちを、キリストから、福音から遠ざけてしまうことになってしまうと思うからです。その考えは今でも変わってはいません。
 
 ただ一方で、 これまでヨーロッパのナチスに抵抗した牧師たちや神学者たちから、貧しいながらも、多くのことを与えられてきました。これからも、このような人達から多くのことを学びたいと願っています。彼らは神の言葉の説教によって、ナチズムと向かいあって行きました。
 関心を持ち、学び続けている「説教黙想」もこの戦いから生まれてきたものです。学んできたことをただの飾りにはしたくないように思います。
 
  今から、30年ほどの前のクリスマスの日に洗礼を受けて、信仰に入りました。その時の大切な動機の中にあったのも、あのホロコーストの出来事を知らされたことであったと今は思います。あの頃はあまりに若く、はっきりいってかなり無茶苦茶でどうにもならなかったのですが、そんな僕なりに考えていたことがあります。フランクルの「夜と霧」やエリ・ヴィーゼルの書いた本を読みました。どれほど理解できたかは疑わしいのですが、 <人>はなんて恐ろしいことをしてしまうのだろうかとの思いをそのときに抱いたことは今でも心に焼き付いています。
  それは自分は正しい人間だけれども、ヒットラーやナチの人達は酷いという思いではありませんでした。このようなことを行なったのは同じ<人間>であるという事実を突きつけられたのです。僕自身がナチがしたようなことをやりかねない人間なのだということに気づかされたのです。つまり、救い主に、救われなければならない人間なのだと知らされたのです。
  若い日に僕が教会で教わったことは、僕の場合は、これまでの高校や大学で教わったことを遙かに超えていました。今、自分が牧師として、そういうものを教会に集う、子供たちや若い人達に伝えることができているかというと恥ずかしい思いがしてきます。ただ教会にはこの世に対して、真実を告げる役割(預言者的使命と呼ばれます)があるということは信じています。
 
  少し前のことになりますが、息子が何気ない会話のなかで、
 「お父さんは、もう少し、社会のことについてはっきり語った方が良いのでは?」とぽつりと言いました。彼には僕の説教はあまりに宗教的に過ぎるように感じられるということであったのです。こういうことを彼が語ってくれたことに感謝をしています。子供たちを通しても、僕は少し、自分を修正しつつあるかもしれません。

 なんともまとまりのつかないことを書いてしまいましたが、こんな文章を終わりまで読んでくださった方があれば、心から「ありがとうございます」を申し上げたい。
by rcjhashi | 2013-12-16 22:22 | etc |
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